要件を満たした場合にのみ働ける
介護の現場に増える技能実習生
介護事業の現場で外国人介護職員の数が増加しています。
しかし、ひとことで外国人介護職員といっても、誰でも介護職員になれるわけではありません。
その人員基準は、EPAや特定技能などがあります。厚生労働省の介護分野における特定技能協議会(令和2年度第1回)資料6「介護分野における外国人の受入れについて」を見てみると、介護分野での外国人受け入れは、EPA介護福祉士・候補者が3155人、在留資格「介護」を持つものが1324人、介護技能実習生が18034件、特定技能が343人となっており、介護技能実習生の受け入れが突出して多い形となっています。
介護事業所の受け入れ要件
外国人技能実習生を介護の現場に受け入れる場合、技能実習生ならばどんな人材でもOKというわけではありません。もともとの技能実習制度のルールにさらに介護職種特有の要件が定められています。
つまり、従来の技能実習生の制度に加えて、介護職特有の要件をクリアした実習生のみが介護技能実習生として介護の現場で働くことができます。介護固有要件とは日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる「N3」レベルのコミュニケーション能力を保有していることや、監理団体の役職員に5年以上の実務経験を有する介護福祉士が配置されていることなどがあります。
ただし、N3レベルのコミュニケーション能力はあくまでも理想であり、入国時にはN4レベル程度でもOKとなっています。ただし、N4レベルの技能実習生は、入国後講習で240時間以上の日本語科目の履修をしなければならないなどの要件が課せられています。また、技能実習生側だけでなく、介護事業所側にも外国人を受け入れるための要件を整えておく必要があります。
たとえば、介護技能実習生を受け入れられる介護事業所は、設立から3年以上経過している施設でなければならず、訪問系サービスは受け入れ不可というルールがありますし、技能実習生5名につき介護福祉士等の技能実習指導員を1名以上専任しなければならないといった実習体制を整える必要があります。