介護技能実習に欠かせない入国後講習
介護の知識を含む入国後講習
介護事業の現場で、外国人の技能実習生の受け入れが増加しています。
人手不足が深刻化する現代の介護現場において、介護技能実習生の存在は非常に重要な存在です。しかし、介護技能実習生を受け入れる場合には技能実習生は厚生労働省が定める「介護」における固有要件を満たすため、入国後講習を受けなければなりません。
介護技能実習の入国後講習とは、どのようなものなのでしょうか?
介護用語を使いこなす
介護技能実習の入国後講習は、基本的には技能実習制度本体の仕組みをベースとしたものとなりますが、さらに介護特有の内容が付け加えられたものとなります。
たとえば、技能実習制度本体の講習内容として必須の「日本語」に関しては、基本的な日本語教育のほかに「介護の日本語」が加えられています。介護の日本語とは、介護の現場で使われる専門的な単語や名称のことです。具体的には要介護者の体調を確認する際に使う「吐き気、たん、熱、痛み、体調、骨折、転倒」などといった単語や、要介護者の体を移動させるときにつかう「あおむけ、うつぶせ、体位、座位」などといった単語を理解したり使用したりといった内容になります。介護事業の現場では、これらのやや専門的な用語が業務の中で必然的に使われます。
技能実習生が介護の分野で働くためには、日常の日本語技能にプラスして、これらの介護用語をマスターしておかなければならないというわけです。当然、単語を覚えているだけではなく「体温は36.6度です。ご気分はいかがですか?」といった具合に、要介護者とのコミュニケーションが取れるレベルであることが必要になってきます。
介護技能実習の入国後講習では、介護用語を加えた日本語教育のほかに、介護の基本やコミュニケーション技術、移動や食事、排泄などの介護技術に関する「介護導入講習」も行われます。介護導入講習では、具体的な介護技術を学びますが、技術を身に着けると同時に、介護用語の使い方も実践していくことになります。